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2024年08月

あやめ十八番 第十六回公演

雑種 小夜の月

脚本・演出:堀越涼
@座・高円寺1

あらすじ

私の家はお団子屋さんです。
返田神宮という、わりと大きな神宮の参道で『小堀屋』という名のお団子屋さんを営んでいます。五人家族全員で、お団子を売って暮らしています。参拝にくる、観光客の皆さんに、お団子を売って暮らしています。お父さん、お母さんが団子を作り、出来た団子を蜜(みつ)姉と白(ゆき)姉が丸め、私が外で売り子をします。この辺りは、雑誌に載るような観光地ではないけれど、家族が食べていくには十分で、日々の天気に一喜一憂しながら五人、可愛く商いしています。

高校を卒業して、店を手伝い始めて、あっという間に八年が経ちました。うちはのんびりした家ですが、八年もあれば、なんもかんも変わっていきます。白姉は生まれて初めて、蜜姉は通算二度目のお嫁に行って、私の部屋は繰り上がりで、少し広くなりました。小堀家きっての暴れん坊だった白姉は、今じゃすっかりお母さんで、暴れん坊の称号は娘の水樹ちゃんが受け継ぎました。五人で夕飯を囲むことは、今じゃあんまりないけれど、昼間はみんなでやいのやいの言いながら、変わらず商いしています。

普段は飲食店用の白衣ばっかり着ているけれど、今夜はみんなで久しぶりに黒を着なくちゃなりません。“裏の小父(おん)ちゃん”の、お通夜にみんなで行くんです。

裏の小父ちゃんの家は、神宮の駐車場の裏の急な坂を上ってった先にあって、小父ちゃんはそこで十匹の猫と一緒に暮らしていました。小父ちゃんは昔、神主さんをやっていたそうで、この辺りの人はみんな、困ったことがあると小父ちゃんに相談に行ったそうです。

小父ちゃんが亡くなった後、お母さんはすぐに猫の引き取り手に名乗りを上げました。そういう人は他にも大勢居たらしく、お母さんはその中でも、わざわざ一番年寄りの、お腹のとこに腫瘍のある、お婆ちゃん猫を引き取りました。お父さんが猫アレルギーなのに、何でウチが引き取るの?と聞くと、昔、お世話になったからって。

お母さんは、それから色々教えてくれました。
三十五年前、お父さんとお母さんが、駆け落ちをしたこと。二人を匿ってくれたのが、裏の小父ちゃんであったこと。この猫はその頃から小父ちゃんの家に居て、今は化け猫で間違いないってこと。

『雑種 小夜の月』は、裏の小父ちゃんと化け猫と、お父さんお母さんの徒歩五分の駆け落ちのお話です。

小堀 綺(あや)

タイムテーブル


10日(土)18:30
11日(日)13:30/18:30
12日(月・祝)13:30/18:30
13日(火)休演日
14日(水)13:30★(託)
15日(木)13:30★(託)
16日(金)18:30
17日(土)13:30(託)/18:30
18日(日)13:30

★…終演後アフターイベントを予定
(託)…劇場託児サービスあり

出演

《出演》
堀越涼
大森茉利子
金子侑加
中野亜美
(以上、あやめ十八番)

秋葉陽司(花組芝居)
井上啓子
内田靖子
梅澤裕介(梅棒)
小口ふみか
川田希
蓮見のりこ
福圓美里
松浦康太(シタチノ)
山本周平(新宿公社)
佐藤つむぎ

原川浩明(花組芝居)

+日替わりゲスト

《音楽》
池田海人
丸川敬之(花組芝居)
中條日菜子

チケット

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